昨日「伝統技法研究会」主宰の「漆喰彫刻と石膏彫刻の技法」という講座を聴講してきました。
講師は模型職人の「十川忠久」さんと、左官職人の「湯田雄二」さんです。
第一部は十川さんの石膏模型や石膏飾りの修復についてです。
彼は今では数少ない石膏模型の職人で、ベトナムチャンパ王国のミーソン遺跡の超精巧な模型の制作実例を例に挙げ、その石膏模型の作り方を教えていただきました。
また、旧安田邸の天井石膏彫刻の修復工事の制作手順なども話されました。
この写真はパーツの一部です。この精巧なパーツを一つ一つ作成し、組立していくようです。気が遠くなります。。。
第二部は神奈川の左官職人、湯田さんが講師です。彼は「石膏彫刻」や「蛇腹引き」の達人です。
ちなみに蛇腹引きとは、
よくあるのが、天井と壁の入隅にあるこの写真にある白い飾り部分のことです。西欧風の建物でよく見かけますよね。
これを左官職人が、
こんな道具を使って(すべて手作りです)
このように引いて制作します。
最近は「石膏」で作ることが多いのですが、それ以前は、写真のように「漆喰」で蛇腹を引いていました。
石膏に比べて漆喰は何度も重ねなければならないのでとても大変な作業になります。
伝統的な左官のシゴトを知る貴重な講座だったと思います。