床の間に「糊差し仕上げ」という壁を塗りました。「書」を飾るためにそれが引き立つ「濃紺色」の壁を塗って欲しいという依頼があり、この壁を提案させていただきました。
材料配合には、「色土」「色粉」「みじんスサ」「糊」「珪砂」の5種類を配合しています。また、色粉には濃紺色を出すために「黒」と「青」の色粉を配合しています。
配合は原則はありますが、あとは温湿度と経験とカンと仕上がりのイメージを想像して決めます。決められた既調合の材料の方が楽なときもありますが、このようなオリジナルの配合はとても楽しみでもあります。
塗った後は水が引いて乾燥するまで、どのように色が変わり(薄くなり)、土やスサや砂がどのような表情を出してくれるのか分かりません。
自然素材の材料は出してくれる表情がとても豊かです。そのような材料を扱える「左官」はすばらしい仕事だと思います。