まずは、講習会の参加者全員、各自90㎝×90㎝の木枠を持ち寄ってそこで塗り壁を行います。最初に最も基本でかつ大事な「土の中塗り」作業を行いました。土の中塗りというのは、仕上げではありません。でもこの中塗りが上手に平らに塗れていないと、綺麗に仕上がりません。その理由は、仕上がりのときに平らに塗ろうと思っても、中塗りがボコボコだと、仕上げ材の塗り厚が一定でないので、乾きムラが出てしまうからです
さて、その作業は以下の順番で行います。
① 墨出し
墨壺という道具で塗り壁の目印になる線を打ちます。
②-A のれん打ち
このような竹にメッシュの布をくっつけたものを「のれん」といいます。柱と塗り壁の間に亀裂や隙間が出ないように打ちます。
②-B とんぼ打ち
丸柱や梁など、曲線でのれんが打てないところに打ちます。「ひげこ」とも呼んだりします。
③ チリ廻り作業
壁と柱など段差があるところを「チリ」と呼びます。亀裂が発生しにくいように、砂が多く収縮の少ない材料を塗ります。そのときに、「のれん」や「とんぼ」を伏せ込みます。
④ 底埋め作業
チリ廻り作業が終了したら、中塗り土を塗りますが、塗り厚が大きく一気に全部塗れないので、最初に塗る作業を「底埋め」といいます。ちなみに、中塗り土の材料は、「土」「砂」「ワラスサ」の3種類です。
⑤中塗り作業
最後に、墨の高さまで中塗り土を塗ります。このとき、スピーディに真っ平らになるように塗ることが大事です。
この中塗りをきっちりと正しく出来る左官職人は、基本を知っているまじめな良い左官職人なんだろうと思いました