前回のつづきです・・・。
さて、なぜダンピングがおきるかというと、現在、公共工事が少なくなってきているのは報道でご存じの通りだと思います。すると・・・元請けの仕事が減る→利益が少なくなる→利益を確保するために下請けに安くやってもらう。という図式ができあがるわけです。
下請けは安いならば工事をやらなければいいじゃん。と思いますよね。
でもダメなんです・・・。
下請けは、いままでずっとそこに仕事をもらってきたし、安くても続けて仕事をくれる元請けと関係を続けていかないと飯も食えなくなる・・・。という考えがあります。もともと下請けの仕事ばかりで職人として現場ばかりにおれば、営業もスキルがありませんから、急に他の元請けの仕事を探せといってもなかなか見つかるものでもありません。そしてこれがバブルが終わってから1年ずつ徐々に厳しくなってきています。それは「公共事業労務単価」という専門工事業の各職種の1人工(1日の給料みたいなもの)の金額を国が作成し、県単位で金額を出しています。それが見事に毎年毎年少なくなってきているのです。
公共事業は国民の税金からまかなっています。国民は工事は安い方がよいに決まっています。でもそのしわ寄せは主に下請けに来てしまうのです。(これは建設業者だけでなく、車のメーカーと部品を作る下請けの関係とも同じですよね。)
いま賃金格差が大きくなって・・・と報道されていますが、まさに下請けの職人は賃金が少ない部類のほうに入ると思います。そういえば職人ってサラリーマンや公務員と違って、ほとんどが退職金がありませんから、老後は少ない年金でどうするんだろうってことも思います。
・・・前置きがながくなりましたが、つまりこういう建設業界の状況なのですから、これから職人になろうなんて思う若い人は少なくなっているのです。
でも・・・。