左官の壁の「機能」について考えてみたいと思います。
「珪藻土(けいそうど)」という左官材料が登場してから、十数年経ちますが、「どうやら左官壁は体に良い機能を持っている・・・。」ということが周知されたように思います。
機能とは主に「調湿機能」のことで、湿気や臭いを吸放出したりする機能のことです
シックハウスの問題が起こるまでは、ほとんどの壁が「ビニールクロス」だったわけで・・・、機能のことや化学物質をについてあまり気にしていなかった反動が、この「珪藻土」を爆発的に有名にさせたことにもつながっているのだと思います。
ところで、少しさかのぼって、壁の素材を考えてみると、ビニールクロスが登場する前は、当然石油製品がなかった時代ですので、樹脂系の塗料もありませんでした。
木やコンクリート、ガラスなどの特殊な壁を除けば、やはり昔は「左官の塗り壁」しかなかったことが容易に想像がつきます。
ということは、その当時「左官の塗り壁」しかなく、自然素材が当たり前のように塗られていたわけですから、体に悪い物質が混入されているはずもなく、きっと(調湿)機能のことは気にもとめてなかったはずです。
・・・つづく。