杉皮はシュレッダーをかけたりしてみたのですが、60年前の壁のように細かくなりません。
はさみでこれ以上細かくするにも・・・。
昔の人はどんだけ手間をかけていたのかを考えると気が遠くなります
近くにあった「みじんスサ」というワラの細かいスサを見比べてみると、
なかなかいい感じです。これを松煙で染め、代用することにしました。
本来のものと違うのが少し残念なところもあるんですが・・・。
こんな感じになりました。
施工状況です。
私も少し塗らせていただきましたが、「粉つのまた」が入っているとはいえ、ワラがあまり滑らないので、とてもスーッと塗れません。小さい鏝で厚くならないように伸ばしながら塗っていきます。
まとめです。
この壁は理由は分かりませんが、左官の本にも載っていない(私の知るかぎりですが・・・)壁でした。
繊維壁の前進的な壁ということで、材料さえそろえば比較的施工難易度はそれほど高いものではないと思います。また、この黒い壁はこれからも普通の民家では使用することはほとんどないと思います。理由は繊維壁の質感が今の時代にあまり受け入れられていないと考えられるからです。
ただし、樹脂ではなく、膠を使ったということで非常に貴重な経験にもなりました。漆喰や大津磨きとは一味違う昔の工法として記憶にとどめておきたいとおもいます