「版築」風の見本の依頼がありましたので作ってみました。
版築とは、一言でいえば「コンクリート擁壁の土バージョン」
型枠を入れるところまで一緒ですが、違うのは少しずつ(30㎝程度)突き固めて施工していくので、地層のようにも見えます。万里の長城や法隆寺の塀にも使用されています。
最近で近場でいうとINAXのライブミュージアム「土・どろんこ館」の外壁でみることができます。
材料は
- 湖西の土
- 石灰
- スサ
- 淡路砂利 を使用しました。
色は石灰と土の配合を変えて3段にしてみました。仕上げは塗付けてから砂利を埋め込んでワイヤーブラシなどでガリガリ。版築ではなく、版築風というのは、突き固めていくのではなく、鏝で塗るので「風(ふう)」をつけました。
正直なところ、こんな見本は初めて作りましたが、色粉には出せない土の自然な色合いがとても綺麗です。
また、たまたま現場からもらってきたその辺にある土でこんな表情がだせるなんて驚きでもあります。
昔の左官屋はこんな風に自然素材を上手に利用していたんだろうな。きっと。