「HAMANI左官ショールーム」の1階外壁は「版築」(はんちく)という仕上げを行いました。
版築仕上げは、セメントが発明される前には塀や擁壁を作るのに使われておりました。施工方法は塗るのではなく、型枠を入れた後、材料を入れて上から突き固めることを何層に分けて行います。従って型枠を外すと地層のようになります。素材は「土」と「消石灰」が主成分になります。
最近はその自然なテクスチャーが素晴らしいとのことで、内部・外部問わずデザインされた版築壁仕上げを行うことも増えてきました。
左官工事としては、昔ながらの版築工法もありますが、コンクリートや合板下地の上に5~10㎝程度の厚さで仕上げたり、塗り版築といって、突き固めるのでなく版築風に塗って仕上げる工法もあります。
さて、「HAMANI左官ショールーム」では、その版築をコンクリート下地の上に仕上げる工法を採用しました。
土は、基礎工事の時に発生した残土をリサイクルし、篩(ふるい)にかけて使用しました。
次に版築のデザインを決めるために、アクリルパネルを使用してモックアップを作成しております。
一層の幅や色のデザインの順番などを決めていきます。土は、色違い2種類の残土が発生しましたので、それらを組み合わせ、高さは仕上がりで1層が12㎝になるように決定しました。
また、ここで水分量の調整を行います。水が少しでも多いと、仕上がりでペタペタになってしまいますし、逆に少ないとパサパサになって材料が固まりませんので注意が必要です。
次にいよいよ本番の施工です。型枠を止めるのにはホームタイと桟木を使用しております。
作業している若い職人たちは全員初めての版築作業です。
最初は慣れていないのもありますが、型枠を外すときに版築が欠けてしまいました。。
もちろん、やり直しです。。泣
工期も限られておりますので、夜間作業も行いながら一層ずつ付き固めていきます。
なんとか最後まで突き固めることができました。
版築は少し手間がかかりますが、仕上がりはとても素晴らしく、自然素材の良さを知ることができます。
お近くにお越しの際は、ぜひご覧ください^ ^